ここでは、私、佐久間が推薦できる本を勝手に選んで載せてしまいます。基本的に、自分が持っている本、自腹で買った本です。特に、観念的・感情的な自然保護主義では何も救えないと思っている私としては、アンチ「感情的エコロジスト」的な本を中心に、と思ってます。そういう冷静な本って話題になりにくいんだよね。だって、無理解なマスコミとかエコロジー・バカとかは、そういう本が大嫌いだから。
 たぶん、自分の無知さ加減が自覚されて、プライドがいたく傷つけられるからだと思うけど。でも、コトがコト。そんなこと言っている場合じゃないだろう!
 ただし、絶版になっている場合とかもありますのでその点は平にご容赦を。そういった場合、図書館でもそうそうないと思いますので、お読みになりたい方は専門の古書店を回られるのが近道かと思います。

自然エネルギー関係は
こちらを御覧ください

治水とダム 〜河川と共存する治水
信州大学自然災害・環境保全研究会編 川辺書林・刊 2001年


脱ダム宣言でゆれる長野県。この現状を検証するための本。反対派とか、単純に割り切ってかかれたものではなく、なぜ必要なのか、本当に必要なのか、そこに作って大丈夫なのかといった事柄が、データなどとともに示されている本。もちろんデータの甘さなども検証されているが、こういうものが出てくると「ダム反対派の本」と言われてしまうところが現代日本最大の問題なのかも知れない。あとがきを読もう!

森はよみがえる 都市林創造の試み
石城謙吉・著 講談社現代新書 1994年


北海道大学の苫小牧演習林を使って「都市林」という形の造林実験を行なった記録。これからの林業を考えた林道作りや、小川の復活、動物たちの復帰などさまざまな試みがいっぱい。森・林を守ることはただ放置することではない。特に里山は利用することによって価値が生まれ、地域に大切にされるのだなぁ、と実感できる。今後の自然の在り方を考えるために必読。著者には「イワナの謎を探る」という著書もあり。

雲の峰 鮭の川
ブルース=ブラウン・著 新潮社・刊 1984年


アメリカはワシントン州、オリンピック半島における鮭科魚類の絶滅の危機。この歴史と現状(当時)を詳細にレポートしている。しかし、字が多くて読みにくいうえに、専門用語に近い言葉が連発。結果、文庫化もされずにそのマンマ。古書店でも入手難。とってももったいないんで、新潮社サンにはなんとかしてほしい。日本では、鳥や獣に比べ、サカナの保護についての関心がいかに低いか、ってこと。

森が消えれば海も死ぬ 陸と海を結ぶ生態学
松永勝彦・著 講談社ブルーバックス 1993年


「海や川、湖の魚たちを増やすには森が大切だ」という昔の漁師の知恵を現代に蘇らせる本。森の養分が海を豊かにし、森が土砂の流出を押さえてくれる。当たり前だが、現代の日本ではあまりにないがしろにされてきた事実。これを学術的に解説しているので説得力は高い。もっとも漁民もこれを強く言ってこなかった。農政重視で開拓ばかりして、魚が獲れなくなってきた事実もあるのだ。

ブラックバス移植史
金子陽春/若林務・著 つり人ノベルズ 1998年


かなり冷静な立場から、ブラックバス問題を語った本。感情論優先のマスコミには読んでいただきたいな、と。いや、病原体と同じで、小さくてよくわからない小魚ほど日本の在来種にとっては脅威だ。タイリクバラタナゴもカダヤシも、そしてブルーギルも。霞が浦では業者の所から逃げたアメリカナマズが大繁殖しはじめてる。国内移入もあるし。個人的には「在来種」「移入種」という区別以上のことはしたくない。

バイオスフィア実験生活
A.アリング/M.ネルソン・著 講談社ブルーバックス 1996年


アリゾナの砂漠に作られたもうひとつの地球「バイオスフィア2」での生活のドキュメント。人間は人工的な閉鎖空間で生き続けられるのか?
驚いたのは最終段階に起きた酸欠の原因だ。地中の微生物の作用だとか、さらには神がかった説もあったのだが、なんと、二酸化炭素が建物のコンクリートに炭酸カルシウムの形で固定されていたというのだ! 驚きがいっぱいの本。

リサイクル幻想
武田邦彦・著 文春新書 2000年


『「リサイクル」してはいけない』(青春出版社・刊)などの著書がある武田氏が現代のリサイクルの不条理をまたまた突いた1冊。お金がかかるのは仕方がないが、リサイクル不可能なエネルギーを消費してまでリサイクルするという無意味な「リサイクル信仰」を糾弾。平たく言うと「リサイクルのために、ゴミ収集車が何台も回るのって、燃料のムダと大気汚染を引き起こしてる」のって気付いてます? てこと。

地球温暖化の真実
住 明正・著 ウェッジ選書 1999年


地球温暖化が叫ばれて久しいけど、ホントのところはどうなの? という疑問に東大気候システム研究センター所長の著者が答えてくれる本。だってさ、夏が暑いとか、暖冬だとか言うとマスコミは騒ぐけど、そうじゃないとだんまり決め込むでしょ? あれって逆に不安だよね。本当はどこまでわかっているの? と言うところから、我々は何をしなくちゃいけないか、まで、かなり明快に答えてくれてます。

トマトの巨木の生命思想
草柳大蔵+野沢重雄・著 ABC出版・刊 1985年


筑波科学万博で展示されたトマトの木を覚えている人はもういないかな? あの木は、実は遺伝子の組み替えのようなバイオ・テクノロジーの産物ではなく、植物の成長を科学し、成長阻害要因を排除していった結果が生み出したものだったのだ。そのトマトを生み出した野沢重雄さんが「ハイポニカ農法」を語った本。愛媛県で「自然農法」を説く福岡正信氏と共著者・草柳大蔵氏の意見が一致した項は必読。

「森を守れ」が森を殺す!
田中淳夫・著 洋泉社・刊 1996年


いきなりショッキングなタイトルの作品だが、要するに「観念論的な自然保護論は開発派に足元をすくわれかねない」ということを説明し、論理的な矛盾、科学的におかしな理論を打破する一方、フィールドワークによる新たな森林への取り組みを提案している。この本を読んで、居心地の悪い思いをする自然保護派は多いかも。それはこの本が理解できないんじゃなくて、自分自身が歯痒いんだと思います。

伐って燃やせば「森は守れる」
田中淳夫・著 洋泉社・刊 1999年


前掲書の続編。前作が不当に低く評価されていることを考えると、自然保護論者たちには、こちらの方を先に出版したほうがわかりやすかったのかなぁ、と思われて結構残念。やはりこの本でも、森林の本当の姿、中でも雑木林は人間の手が入ってこそ生きるものだということを教えてくれる本。もともと著者は森が好きで、大学では林学さえ学んだ人間。こういう人がリードしていかないといけないよね。

割り箸で森が救えるか?
銀河書房・刊 1991年


「森林王国・長野県からのレポート」という副題のとおり、割り箸論議と本来の森林保護との関係性、森林育成と利用、保護について語った本。熱帯雨林の破壊の現場と、割り箸生産の実情から書き起こし、本当の森林保護について問い直した試みは高く評価できます。割り箸って、そもそもどうやって生産されるの? 答えられなかった人はぜひ読んでほしい本ですね。たぶん入手難だけど。