この記事は某石油会社のメールマガジン、Webマガジンに連載されたものを
再び編集し、さらには大幅に加筆(含む毒舌)したものです。
分かりにくそうなところは図版も追加していきますのでよろしくお願いします。

ですます調、である調を検索置換で直したのですが、まだ完全でない部分もあります。
徐々に直していきますのでご了承下さい。

交通事故減少のために無償公開していますが、当然、著作権は私にあります。
禁・無断転載
(高いこと言いませんから連絡下さい)

◆まず、テクニックの前に考えて欲しいこと◆

 自動車というものは、存在そのものから危険なものである、ということを最初に認識しましょう。なぜなら、ベーシックな軽自動車であっても、馬40頭分以上の力と700kgもの重さを持った鉄の固まりなのです。そして2000ccクラスならどちらもその倍以上(力は3倍以上が普通)、ミニバンやオフロードタイプなら、さらに加えて車重は2トンを超えます。これではアニメやゲームなら、相当強力なモンスターと言えますね。そんなものが走っているわけです。

 よく安全運転と言うとスピードの話が出ますが、スピードもある意味関係ありません。サイドブレーキの引きが甘く、やや傾斜しているだけの駐車場で動きだしてしまった車を真正面から止めようとして、轢かれて亡くなった方だっているのです。赤ちゃんのよちよち歩く速度でも人は死んでしまうのです。運転している場合でも、時速10km/hでコンクリートの壁にシートベルトなし・ノーブレーキで激突すれば、乗員が死ぬ可能性さえもあるそうです。

 売られている車(新車)でも、運転するという点では改造車より危険な車だってあります。コストダウンで販売の売り文句にしたい装備ばかり優先した車も多いです。また、ミニバンやオフロード車のブレーキなど、その車重、乗車人数、積載荷物と馬力の割にはあまりに貧弱であることは絶句するばかりです。さらに、日常の整備が悪く、タイヤの空気圧やホイールアライメントの狂いで真直ぐ走れないような車もたくさん走っています。

 もしこれを読んで乗りたくないと思うなら、車は運転されない方が賢明です。といって恐くないと言う方も、運転して欲しくありません。危険をしっかりと認識し、その化け物のような鉄の固まりをいかに自分のコントロール下に置くか、それが「車の運転」なのです。

もくじ

[功.ネット]限定特別講座
■□ 女性/初心者のための[裏]車選び □■

■□ マル秘の運転テクニック □■

◆好感度アップ! 車庫入れをキメる
◆考え方を変えるだけで縦列駐車は楽勝
◆車の大きさを実感しよう
◆交差点をスムーズかつ安全に曲がる!
◆安全で経済的なオートマチック車運転術
◆ミラーを合わせて安全運転
◆正しい座り方が安全で一番疲れない
◆ハンドルの正しい持ち方とは?
◆優しく止る!ブレーキの使い方
◆ペダルワークは靴選びから
◆追い越しに存在している思わぬ真実
◆他のクルマの動きを読もう!
◆身近に潜む危険な場所とは?
◆ヘッドランプはいつ点ける?

■□ 快適なドライブのためのヒント □■

◆快適・渋滞ドライブ作戦
◆クルマ酔いを防ぐには
◆長距離ドライブの必需品
◆雨に備えてやっておきたいこと
◆霧に出遭ったときの知恵
◆車載工具に慣れておこう

□■ 近日公開/非運転者の安全術 ■□
◆絶対に話し掛けて欲しくないタイミング
◆運転者の感覚との違いを知って欲しい
◆絶対にしたら命に関わる危険行為
など・・・乞う御期待

■特別講座:女性/初心者のための[裏]車選び

女性や初心者に限りません。「運転が苦手」と言う人のかなりの数が、実は運転しにくい車に最初に乗ってしまった、今も乗り続けているということも原因です。メーカーが売っている新車だからといっても、見た目や豪華装備にかけたコストのしわ寄せが、安全な運転のために必要な部分に来ているなんてこともあります。ということで、ここでは、そんなろくでもない車を買わないためのチェックポイントを挙げておきましょう。

1:ハンドルが軽すぎない
軽すぎるハンドルは逆にどのくらい切ったのかわからず、曲がりきれなかったり、曲がりすぎて内側をこすったりしがちです。重い・軽いではなく、タイヤと路面の抵抗を感じられるようなモノを選びましょう。切り込んでいくと抵抗が増えるわけですから、それが分かるものでなくてはなりません。まず基本的に、ハンドルもペダルも、「すべての操作が軽い」のはダメ。軽いばかりでダイレクト感がないと、ついついよけいに大きく操作してしまい、慌てて戻して、結果大パニック、なんてことが多いようです。また、各部品の取り付けてある場所の強度も影響します。つまり歪むが故に「しっかりしていない」感じがするのです。もちろん、歪まない方がいいわけです。

2:ハッチが直立に近い小型ハッチバック
後ろの車両感覚がつかみやすいのはトランクの突き出ていないタイプ。後席よりさらに後の窓ガラスを通してトランクの角を見れば、距離感が狂って当然です。加えて、ボディの後ろ端が予想しやすい形となると、ハッチ・ゲートが直立に近いタイプになります。あとはハッチの厚みとバンパーの長さを足せば、後ろ端の距離はわかるはずです。

3:前方左の見切りがよい
もちろん前の車両間隔も大切です。特に、左側(右ハンドルの場合)の距離がつかみやすいこと。真ん前よりこちらが大切です。見えそうでもワイパーなどで見えないこともありますから、外から見た「見かけ」で判断しないように。なお、バンパーの角が丸く面取りされているような形のモノは、ギリギリのところでこすりにくいので実用的です。それをわかっていて無理をするとこすりますが。

4:バックがしやすい
前進ばかり気になりますが、とても大切なのはバックギアに入れて、ゆっくりと動かせること。意外に見落としがちですが、必ず試乗して確かめましょう。このとき、ペダルの踏み間違いをしにくいかどうかもチェックです。もちろん、これはペダル類の踏み具合微調整がしやすいことのチェックにもなります。

 実際、一流メーカーの車でも、非常によく売れた車でも、いつ加速するのか、どのくらいハンドルが切れているのか、ブレーキがどのくらい効いているのかという感覚がない車もあるのです。命を乗せるものですから、形や装備、流行で選ぶだけでなく、上記のようなことにも気を配りましょう。

そして最大の難関。

5:自称車好きには要注意
勘違いしている人が多いのが車好きの世界。特に男性の場合は要注意。知ったかぶり、デタラメのオンパレードという人が相当数います。タクシーの運転手、トラックドライバーも両極端(知ったかぶりの人の方が多いかな)。やたらと語る人は間違いなく当てになりません。
シートベルトをしない/させない人、背もたれを倒し、それなのに背中が背もたれから離れている人、ブレーキのたびに乗っている人が不快なほど揺れる人(後述のカックンブレーキ)、カーブの間中ハンドルを左右に振っている人、常に片手運転の人、直線に入ってハンドルを戻してからでないとアクセルが踏めない人、運転席にいないときにもドライバーと一緒に左右や後ろを確認しようとする人(ドライバーの邪魔!)、などなど、こういう人はハッキリ言って「下手」で、わかっていない人が多いものです。

どちらかというと、車好きでもない女性で「この車運転しやすいよ、なんか」程度の人の方が直感的によくわかっていたりします。

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■マル秘の運転テクニック 

◆好感度アップ! 車庫入れをキメる

 どんなに速く走れても、駐車場での車庫入れにモタついたのでは大減点。そこで、車庫入れの苦手な人のためにコツを伝授しましょう。まず駐車スペースに直角に車を停めず、入れやすいようにクルマのお尻を最初から少し向けておきます。

 そしてバックするわけですが、このとき注目は動く車の内側(ハンドルを切った側)の後輪部分。なぜならここが一番移動が少なく、さらにここよりも内側にクルマは入っていきません。ですから、この内側後輪を移動の軸に考えて、隣の車や壁、柱などにこの内側後輪がスレスレに入るようにバックすればいいのです(ただしハンドルを戻し遅れて行き過ぎないように)。あとは他の部分(特に反対側の後バンパー角に注意)がぶつからないようにバックして、スペースに入れていきます。

 後輪の位置は、後ろの座席の両脇にタイヤを格納しているボディの一部が見えるはずですから、そこから想像できるはずです。

どのくらいハンドルを切っているのか、どのくらい切ったらいいのか分からないという人の多くは「切り角を小さく、移動を大きく早く」しているようですが、これは逆。「大きく切って、ものすごくゆっくり動く」なら、間違ったら逆に切ったり、戻したりすればいいので修正は楽です。

 不慣れなうちは、半分ほど駐車スペースに入ったら一度前に出て、左右のスペースのバランスを見てバックし直したほうがいいでしょう。完全に入れてから「ドア開かないよー」なんて言われるよりはマシです(笑)。

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◆考え方を変えるだけで縦列駐車は楽勝

 車庫入れと並んで困るのが縦列駐車。しかし簡単な「考え方の転換」で楽にできるようになります。その考え方の転換とは「車はタイヤの上に乗っている」ということです。つまり、タイヤの位置が決まれば、車は自然と位置が決まってしまう。特にハンドルを切っても動かない後輪の位置と向きが1輪でも決まれば、車体全体の場所が決まるのです。

 ですから、路肩に車を止めるときは、後に駐車している車に当たらないような位置に路肩側の後輪を置くべき場所を決め、そこへタイヤを持っていくようにハンドルを操作すればいいのです。こう考えれば狙いも定めやすく、いつ、どちらへハンドルを回すべきかは混乱しません。あとはまわりの車などにぶつけないように、バックすればいいのです。もちろん「ハンドルは大きく切って、ものすごくゆっくり動く」ことを忘れずに。

 もちろん「車庫入れ」のときのように「車の動きの内側後輪よりも内側に車体は入ってこない」という原則も利用してください。このふたつの原則がわかっているなら2台の間に停めるのも大丈夫です。

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◆車の大きさを実感しよう

 ただゆっくり走っているのでは「慎重な安全運転」とはいえません。たとえば、交差点の停止線に注目していると、意外なことに気付きます。「慎重に見える」ゆっくりと走ってきた人ほど、停止線ピッタリで車を停められないのです。ほとんどの人は通り過ぎます(ときにはボンネット越しに停止線が見える位置が正しいと思っている人もいます)。これでは、安全運転とは言い難いですね。もちろん、曲がってくる車などを考慮して、意識的に停止線より手前で止まることはここでは問題ではないですよ。「きちんと止まれない」人が問題なのです。

 では、どうしたら車の大きさが実感できるのでしょうか? もうこれは、練習あるのみです。あなたの他に、もうひとり。お友達に手伝ってもらってください。
 広いところに車を停めて、あなたは運転席に座ってください。お友達は外に出てもらって、遠くからゆっくりと車に近付いてもらいましょう。車から30cmの地点までお友達が来た、と思ったらクラクションを軽く1回鳴らし、お友達に止まってもらいます。さて、表に出てみましょう。すでに車に当たっていたり、はるかに離れてはいませんか? これをさまざまな方向で、人やモノ、地面の線などで試してみましょう。この練習は、うまいつもりの人でも、意外なクセや錯覚に気付かされることのある、効果的なものです。

なお先日、TVで利き目偏重型の人、つまり片目で見る癖の付いている人の危険をやっていました。両目を開いていても、片側の視界が狭くなっているのです。左側のミラーなど、片側を集中してぶつける人はこの可能性もあります。これもやはり立体的なものや距離感を認識する訓練が必要ですね。あの番組を見る限り、立体に見える3Dアートを見つめることなんかも効果的なのかな?

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◆交差点をスムーズかつ安全に曲がる!

 ハンドル(ステアリング)の操作というのは、けっこう人それぞれです。いつでもムリヤリ腕力でグルグル回す人もいれば、全然力を入れているように見えない人もいます。もちろん、後者のほうが見ていてスマートな上に、とっさの時にハンドルを切り足した戻したり、ブレーキを踏んだりといった安全マージン(心のゆとりも含めて)が大きいことは言うまでもありません。では、このふたつはどう違うのでしょう?

 まず腕力派の人は、交差点や曲がり角のかなり奥で、急激にハンドルを回します。だからハンドルを戻す時も道路・車線をはみ出してしまうので慌ただしいのです。ですが、ハンドルは、切り始めた時点からまっすぐに戻すまで車を曲げていくのです。交差点の中央部で急いで大きく角度を変えなくても十分に曲がれます。この「いっぱいに切るまで」と「直進に戻すまで」の間の車の動きを利用すればスムーズに走れるのです。

 これを上手に使っているスムーズ派の人は、交差点手前からハンドルを滑らかに切るので、弧を描くように曲がっていきます。そのうえ交差点の中間地点から、アクセルを徐々に踏み込むので、直進に戻ろうとする車の機能が働き、ハンドルが自然に元に戻っていきます。車本来の機能・動きを知れば、車が加速する動きと直進に戻る動きを関連づけて、スムーズに交差点から出ていくことができるのです。また、ハンドルの切り角が小さければ、急ブレーキを踏む事態になっても横滑りしにくいのです。

 ただし右折で信号待ちをしているときに限っては、後ろから追突されたときに対向車線に飛び出さないよう、ハンドルは直進状態で待ち、曲がるときに一気に切るほうがよいでしょう。

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安全で経済的なオートマチック車運転術

「オートマチック(AT)車はエンジンブレーキが効かない」と、よく聞きます。でもこれには、多分に嘘が含まれています。直結されているマニュアル(MT)車に比べ効きが悪いのは確かですが、もっと重要な問題があるのです。それは変速ギアを選ぶレバー「セレクター」の位置です。

 AT車のエンジンブレーキに不満な人は、4速車の「D(ドライブ)」やOD付きでは「OD(オーバードライブ)」に入れっぱなしにして運転していることが多いようです。通常のAT車の4速はMT車の5速と同等、AT車の3速はマニュアルの4速のギア比になっています。これはMT車で「4速、5速ギアではエンジンブレーキが効かない」のと同様の状態なのです。

 ということで、エンジンブレーキを使いたいならセレクター(チェンジレバー)を積極的に動かしましょう。市街地走行では、4速ATなら「3」に、OD付きは「OD OFF」にしましょう。これでも燃費の悪化はほぼありません。車種によっては、エンジンの回転数とギア比が合わず頻繁に3−4速を往復しているものがあるため、3速までにしたほうが燃費がよくなる場合もあるのです。

 そして、人の多い住宅地などでは「2」で十分。アクセルを離すと同時により強いエンジンブレーキがかかるので、子供の飛び出しなどに対応して、少しでも早く減速できます。

 もちろんこれは長い下り坂でも同様です。「エンジンブレーキ使用」と書いてなくとも、どんどんスピードが出てしまうようなところでは「2」や「1(またはL)」に適宜シフトして、エンジンブレーキを使いましょう。

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◆ミラーを合わせて安全運転

 視界の確保は安全運転の必須条件です。では、皆さんはミラーの調節をどうされているでしょう? 教習所では「サイドのミラーの3分に1に自分の車体が映るように」などと教わりますが、それだけでは完全に不足です。第一、左右のミラーの役割は同じではありません。

 まず、右側のミラーは追越しなどで使うのですから、後続の速い車を発見するため、なるべく遠くを映したいところ。ということで、地平線が中心、もしくはやや下にくるように。そして自分の車体は、基準となる程度であればいいので、3分の1どころか5分の1以下でいいでしょう。これだけで右後方の視界は広がり、高速道路のレーンチェンジは格段に楽になります。

 逆に左側は車庫入れ、縦列駐車で活躍するのですから、近距離を映すためにやや下向きに。地平線は上から3分の1くらいにあれば十分です。そして自分の車体は3分の1から4分の1くらいが映るようにしておくと、路肩や白線と車体との位置関係がつかみやすいでしょう。

 残ったルームミラーは、自分が映らないぎりぎりのところに左右の角度を決め、やはり遠くが映るようにセンターを地平線に持ってくるというのがベストといえるでしょう。

 ルームミラーにかぶせるように取り付けるワイドミラーが自動車用品店などで売られています。「ワイドに映る曲面鏡は距離感が狂うから」と敬遠する人もいますが、実はワイドミラーには曲面鏡だけではなく、ただ幅が広いだけの平面鏡もあります。とても使いやすく、お薦め! なお、車によってはエアバッグの展開の問題からこのようなミラーは付けないようにと取扱い説明書に書いてあることもあります。念のため。

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◆正しい座り方が安全で一番疲れない

 車の操作系というのは、正しい座り方をして初めて使いやすくなっています。そこで今回は正しい座り方について。

 まず、シートの背もたれを起こします。日本車で多く用いられているレバー式では、一番起こして固定できるところか、または(お腹まわりが苦しければ)そこから1段倒した位置が基準です。次に背もたれと座面でできた凹みにお尻をぎゅっと収めます。浅く腰かけては意味がありません。

 これでペダルを踏んでみます。ブレーキペダル(とクラッチペダル)が奥まで踏み切れて、かつアクセルとブレーキの踏み替えに不自由のない位置までシートを前進させましょう。

 そしてハンドルですが、上下できるものなら一番上を握っても肘が軽く曲がるように下げます。これは操作しやすさもありますが、事故のとき、腕が伸び切っていると骨が折れる(最悪、肘関節が砕ける)のを防ぐ意味もあります。ハンドルが前後できるタイプならさらに操作しやすいように調整しましょう。

 この状態でスイッチ類に手を掛ければ操作感抜群。灰皿やドリンクホルダーにも簡単に手が届きます。シートベルトもきちんと胸と腰骨を押さえているはずです。そしてこの座り方は、体重がシートに分散されるので長距離でも疲れないのです。

■さらにワンポイント!■この背筋を伸ばした座り方では、視界も格段によくなっているのに気付くでしょう。とくに、背もたれが起きているため、首を軽く回すだけで、左斜め後方、つまり自転車やバイクの巻き込み事故の原因となる部分が、ミラーを通さず目視できるようになります。正しい座り方は安全運転にもつながるのです。

○正しい座り方のためのシート(前席)の知識

●フルバケット・シート(競技向き): 名前のごとく、後頭部から肩、腰、太ももまで、すっぽりと体を包み込む形状。枕の部分まで一体化しています。軽量 なFRPや、高級品はカーボンケブラーなどのハイテク素材を使用しています。ただし、表面 こそジャージを張るなどしていますが、クッションは皆無といっていいし、リクライニングもありません。ドライバーを車に固定するための「器具」といった感じ。ただし最近は非競技用としてリクライニング機構を備えたものもあります。

●バケット・タイプ(スポーツタイプの車に多い): 形はフルバケット・タイプに似ていますが、クッション性もあり、リクライニングするタイプ。車のメーカーによって、カタログではこれを「バケットシート」と言っていることもあります。やはり枕の部分は一体。肩、腰、座面 の両サイドが張り出していて、しっかりと体を固定できますが、少々窮屈な印象。リクライニングは微調整の効くダイヤル式が多く見られます。

●ハイサポート・タイプ(セダン、ワゴンの高性能版、高級グレード車などに多い): 腰、座面の両サイドはバケット・タイプほどタイトではなく、肩まわりの張り出しがないもの。背もたれは肩の高さ以上ありますが、枕は独立しているので上下の調節(ものによって前後もする)が可能。慣れないと少々窮屈に感じるかもしれませんが、作り込んであるものが多く、きちんと座ればノーマル・タイプよりはるかに疲れにくい作りです。

●ノーマル・タイプ(ごく普通の乗用車に多い): ハイサポートタイプに比べ起伏がない。体を固定するための凹凸 が少ないので、乗り降りはもっとも簡単。通常は背もたれが低いけれども、背もたれ部分を高く作った「ハイバック・タイプ」もあって、これなら体格のよい人でも肩までカバーするので、ゆったり座れる感じになります。スピードを出さないのならこれで十分。ただし長距離走行などで座り比べると、作り込みに差を感じることもあります。      

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◆ハンドルの正しい持ち方とは?

 ハンドル(ステアリング・ホイール)はどう持って、回すのか?実は意外に難問です。操作しやすさというものが、人それぞれだからです。教習所では、時計の針で「10時10分」と指導されていましたが、現在のほとんどのクルマのハンドルが9時15分あるいは8時20分で持つことを考慮された形状になっています。また、持ちかえずに、たぐるように動かす「送りハンドル」も日本の教習所ではよくないと教えられていました。しかし、海外ではこれができないと免許をくれないところもあるそうで、絶対ダメということではありません。

 それよりも、握り方のほうが問題です。しっかり支えるのはもちろんですが、これはギュッと握り締めるということではありません。手のひら(指の付け根)で支えるように持ち、指は軽くからめます。これなら、道路のデコボコや、クルマの動きが伝わってくます。スピードを出すと、手応えが重くなるのもわかるでしょう。握り締めてしまうと、そういうことはわからないし、軽いパワステだと速度にかかわらず一気に切ってしまえます。もちろん高速道路でそんな急ハンドルを切れば、スピン、横転などの事故のもとになるので、ご注意を!

山道のカーブでのこと。ハンドルを切った状態でエアバッグが膨らむほどの事故が起きたとき、自分の腕時計が(もちろん自分の腕ごと)飛んできて怪我をした人がいます。運転するときは腕時計などは外しておく方がいいでしょう。このように事故のとき、凶器になります。運転席周りに挿してあるボールペンや鉛筆だって、どうなるか分かりませんよ。

○時計の針で考えるタイプ別の持ち方

●11時5分: ハンドルの持ち方としては論外。ハンドルにしがみつくような持ち方になります。意外にこれをやっている女性は多い。 曲がるときにもハンドルの上だけを持って、はたくようにバタバタと操作する傾向があり、 結果、自分がどれくらいタイヤを切ったのか、果たして直進状態になっているのかどうかさえわからなくなります。早急にやめましょう。

●10時10分:基本中の基本。素早く、微妙な操作も可能で、山道などの曲がりくねったところなら、これしかない。 運転がうまくなりたいなら、この状態から持ちかえながらフル・ロックするまで切り、それを反対側まで戻すという 「ロック to ロック」の練習をしたいですね。ただし停車状態でハンドルを切るのは、機械に負担がかかり過ぎるので、 前輪をジャッキアップし空中に浮かせて練習します。ジャッキアップできないときはハンドルを握らずイメージトレーニングを!

●9時15分:ごく普通の持ち方。20年も前から一部の教習所では「これでもいい」としてきたので、始めからこの持ち方という人も多いでしょう。 それに現在売られているクルマのほとんどは、この持ち方をするようにハンドル形状そのものができています。交差点や路地などでは、 一気に180度以上切り込むこともできるので便利。

●8時20分:脇が締まっているため、長距離・高速走行で疲れないのがこれ。しかし、ハンドルを切る角度が小さくて十分なときは、 この状態から送りハンドルするだけで事足りるという人もいます。 ここから一気に切れば270度程度回すこともできますが、 どうしても操作が雑になりがち。やっぱり街中ではもう少し上を持つことを薦めたいところです。

●「内掛け」していませんか?:ハンドル操作で絶対にやってはいけないのは「内掛けハンドル」。 親指を輪の内側に入れる普通の持ち方ではなく、その逆、 残りの4本指を内側に入れて切るという持ち方です。確かに力が入りますが、微調整が効かないうえに、 切りすぎたとき逆方向に戻すのが難しい。パワステなしのクルマを駐車場でゆっくり動かす、 といった特別なときはやむをえないことがありますが、それ以外、絶対に使わないように。

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◆優しく止る!ブレーキの使い方

 一気にブレーキを踏んで、前のクルマぎりぎりに止める人がいます。本人は巧いつもりなのでしょうが、助手席の人間にとっては、「いつ止まるのか?」と結構恐いですね。もちろん前を走るのクルマの人もです。それに、もしブレーキに異常があったり、路面がそこだけ滑りやすかったら・・?

 そこで、助手席の人にも、そして前の車にも、優しく止まる方法をマスターしよう。通常走行時、前のクルマに向かってブレーキを踏むときは、徐々ただしやや強めに力を加えます。クルマ3台以上の間隔を空けて(混んでいれば2台)止まる寸前まで減速し、その後ペダルの力を緩やかに抜いて間を詰め、再度踏み込んで止まります。これなら「イザ!」というときのために危険を回避できるだけのゆとり(心と車間距離の両方)もあるし、助手席の人も恐怖感を味わうことはありません。
 また、ブレーキを踏み切って止まった瞬間に、同乗者が前につんのめる、通称「カックン・ブレーキ」にもならない。ブレーキというのは、実はとても難しいものです。路面情況や減速の様子、クルマが滑り出さないかなど、考えるべきことは山のようにあるのです。

 なにしろ、クルマというものは、アクセルを踏めば車体が安定するようにできていて、ブレーキを踏んでいるときが一番不安定な状態なのですから。

 ちなみにブレーキペダルは、足の親指の付け根で踏むこと。土踏まずでは微調整などまったくできないので、滑りやすいところでは危険なことさえもあります。また、ふだんから、アクセルを踏むときも1mm単位で足を動かすという意識を持って、訓練しておくことも大切です。センサーを敏感にしておけば、それだけ微妙なコントロールができます。TVによれば、外反母指やへん平足の人はセンサーが鈍いそうですし、冷房の風で冷えた足も危険とか。

 なお、駐車場から出たらまず、ブレーキの効き具合をチェック。これをしないで走り出した場合「最初のブレーキ」が、飛び出してきた人を避けるため、なんて可能性もあるのですから。もし、異常があったら・・・。

○カックン・ブレーキの謎に迫る

 たいした急ブレーキでもないのに、止まった瞬間に、乗っていた皆が前につんのめり、その直後、クルマの前方が跳ね上がるため、 今度は後ろに倒れてしまう。これはつまり、ブレーキで重心が前に移動し、前輪のサスペンションに付いているバネが縮む。その後、止まったことにより重心が元の車体中央へ戻るため、バネが急に伸びます。そのため乗っている人は、前のめりになった次の瞬間、逆に後へと倒れてしまうということです。これはとても不快です。しかし、この通称「カックン・ブレーキ」は、ちょっとしたことに気付けば、かなり防げます。

 その「ちょっとしたこと」とは『ブレーキによってスピードは落ちてきているのだから、止まる瞬間まで強い力のままペダルを踏み続けている必要はない』ということ。 40km/h のときと10km/h のときが同じ力だから、止まる瞬間、クルマは急ブレーキのように前のめりになり、直後にバネの力で激しく元に戻ます。

 物理の法則を当てはめれば、運動エネルギーは速度の2乗に比例します。たとえば、10km/h のクルマのエネルギーは、40km/h のそれの16分の1にすぎないということです。だから、完全に止まるまで同じ強さで踏み続けていれば、最後は急ブレーキと一緒になります。これを避けるために、ブレーキをかけることで落ちていく速度に合わせて、ブレーキを踏む力を調整する必要があるのです。

 通常走っているスピードから、グッとブレーキを踏み付け、止まるちょっと前からペダルを踏む力を緩めてやり、 最後だけ「ク・ク・グッ」っと滑らかに力を増して止まります。これだけで車内の人が、つんのめったり引っ繰り返ったり、ということはなくなるのです。

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◆ペダルワークは靴選びから

 ドライバーが厚底サンダルを履いての事故は、ブームが去ったせいかさすがに聞かなくなりましたが、それでもまだ、サンダルやハイヒール、底の厚いスニーカーといった運転に不向きな靴を履いているのを見かけます。どんなに微妙にアクセルペダルを踏もうとしても、ブレーキペダルを操ろうとしても、靴がだめなら微妙なコントロールなどできません。これは腕前以前の問題で、その差がわからないようなら間違っても運転自慢などしてはいけません。

 では、運転向きの靴とはどんなものでしょう? 最近は専用の「ドライビングシューズ」も自動車用品店で見かけますが、たいてい足にぴったりフィットする形状で、底が薄く、硬いのでペダルの感覚が足に伝わりやすくなっています。もちろんこれを買えばベストですが、ちょっと高いので、予算が足りなければ普通の靴の中で似たものを探せばいいのです。「底は柔らかいが、ダイレクト感があり、しかも安い」と、デッキシューズを愛用している人は意外に多いようです。ゴツゴツした底の登山靴タイプは、一見靴底が硬くてダイレクト感がありそうですが、ペダルの踏み換え時に引っかかるので絶対にやめておきましょう。

長いひもがそのままになっているのも、ペダルに絡まることがあって危険。競技のときなどはガムテープでまとめて止めている人もいます。

 ちなみに専用のドライビングシューズの靴底は、確かに硬いですが、非常に薄いので、あっという間に底がすり減ります。また、底以外の素材が軽く、柔らかいので型くずれもしやすいという欠点も。あくまで運転専用にし、不用意に履いたまま歩き回らないようにしましょう。

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◆追い越しに存在する思わぬ真実

 オーストラリアでの話。クルマで走行中、カンガルーの群れと一緒に走ることがあります。彼らは平行して走っているかと思うと、突然クルマの前に飛び出してくるといいます。大きいカンガルーだと、人間以上の体重があるため、はねれば当然クルマは大きなダメージを受けます。

 なぜ、カンガルーは、同じ速度で平行に走っていたのに、クルマの前に出るとはねられてしまうのでしょうか。これは、三角定規(細長いほう)を見ると一目瞭然です。最も短い辺がカンガルーとクルマとの距離とすると、クルマの前にカンガルーが出るためには、どうすべきでしょうか。直角を挟んで長いほうの長さ分をクルマが走る時間で(より長い)斜めの辺の長さを走らなくては、つまりスピードを上げなくては、角のところまでにぶつかってしまいます。

 これはつまり、並走しているクルマを追い越すときも同じなのです。追い越しで車線変更するときは必ずアクセルを踏み込み、スピードを上げます。そうでないと、ぶつかってしまいます。ときどきブレーキを踏みながら車線変更をして、ヒヤヒヤしている人がいますが、それは非常に危険なことなのです。

 高速道路での合流も同様で、アクセルを思い切り踏み込むこと。横を走り抜けていく本線車両の後のバンパー目がけて加速するくらいの勢いでいいのです。もちろん、本当にぶつけたらとんでもないことになりますが、 彼方から本線を走ってくるクルマの方が速いのが普通なので、まず当たりません。逆に一番まずいパターンが、後から来るクルマの前に入ろうとすることです。加速が足りず、後から来るクルマに急ブレーキを踏ませる原因となります。

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◆他のクルマの動きを読もう!

 自称「安全運転」をしているわりには、事故が妙に多い人がいます。何かの祟り(たたり)だとお祓いをしてもらう人もいますが、事故は、もっと積極的に回避したいものです。

 基本は「最悪の自体を考慮して、それを回避できる運転をする」こと。横から自転車が飛び出したら? 路上に落下物があったら? カーブの先に車が止まっていたら? こんなことが考えられる場所は、上手な人ほどスピードをガクっと落とすものです。

 さらに、「他人を信用しない」ことです。信号が赤になっても、走ってきたクルマは減速が確認できるまで止まるとは限りません。カーブや何車線もある交差点の右左折では、車線が引かれていても外側に膨らむクルマもあれば、内側に入ってくるクルマもいます。ろくにミラーを見ずに車線変更するクルマもいます。方向指示器を出さずに車線変更してくる者もいます。これらを前提にして、車間距離や速度や走行ラインを決めなくてはなりません。

 相手の動きも微妙なものです。減速してくるとき車は前傾しますし、加速してくれば頭が上がります。直進してくる車の動きは難しいですが、曲がろうと動き出している車は、角度が他の車や道路に対してズレます。当然に見えますが、うまい人程、この他車の動きを読むのが早いものです。下手な人ほど、それが読めずに、前の車がその判断をして停止したのにいらついたりします。

 「事故を起こさない」というのは当然です。しかしクルマは、交通の流れの中で存在しているもの。他者との関係で交通を見なおすことこそ、もっとも重要な「安全運転」なのです。

 よく「私は安全運転しているから、もらい事故なら責任はない」という人がいます。また「歩行者優先なのだから、私たちが歩いているときに起きた事故の責任は全部クルマだ。だから避けてくれる」というお年寄りも多くいます。しかし、責任はどうあれ、事故は事故。「ケガでもしたら!まして命にかかわったら!」こう考えれば事故の回避についての意識も変わり、結果として事故が減るのではないでしょうか。

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◆身近に潜む危険な場所とは

 何気なく走っている普通の道でこそ、事故は起きるもの。クルマは時速30km/hも出ていれば、 十分に人の命を奪える「1トン以上もある鉄の固まり」です。 そこで日常的に「ヒヤリ体験」が多い場所をピックアップして、回避方法を伝授しましょう。    

●狭い路地の入り口
 狭い路地からは人や自転車、ミニバイクが飛びだしてくると思って運転すること。 対向車がいない場合は中央に寄っておけば、人や自転車の方にも避けるゆとりが生まれるし、クルマの方もわずかだが回避の時間が稼げます。 また、狭い路地の入り口では一度入りかけた車が、対向車がいたり、道を間違えたために、 ろくに後も見ずにバックしてくることもあります。マゴマゴしているクルマがいたら要注意。 後に止まるときは車間を詰めずに、クルマ1台分程度とること。

●山の中の道
 観光地の道路では、道が曲がっていようと何だろうと車を止めるバカな輩がいます。特に 風景のいいところや、 山菜、茸の採れるようなところは要注意(こういう人は罪悪感がないのですが非常に危険です)。先の見えないカーブを曲がったら、道の真ん中で写真を撮っている「おバカ」がいることもあります。 対向車が 来ることも考慮して、いつでも回避できる心構えを。 追越しは、追い越す側ばかりにリスクがあるとは限りません。対向車と衝突しそう になった場合、 対向車は追い越された側の車に向けてハンドルを切ることもあります。 追い越される側も無理せず、アクセルを緩めて追越しの時間を短くしてあげることが大切です。

●複雑な交差点   
 大きな道路が2本交差するような場所で、右左折の車線が複数ある場合は、車線 があいまいになるので危険。外側の車は大回りを、 内側の車は小さく回ることを心がけたいですね。基本的に外側車線を選択して大回りするのが安全です。 大きな十字路などの交差点内で道が曲がっている場合も、自分がどこを走るべきかがあいまいになります。 特に、カーブの内側になる車線を走っていると、外の車が こちらへショートカットしてくることもあり、 並んで通過するのは危険。左右のクルマの車間を見て、その間をうまく使いたいものですね。

 ちなみに「交差点内に入ったら、すみやかに出なくてはならない」という法規があります。 目の前が赤信号でも、それ以前の問題として交差点内では停止してはいけないのです。意外に初心者や女性に多い勘違いで、赤信号だからと動かない人がいます。しかしこれは交差している道路から曲がってくる車の障害になることからも、やってはいけないことがわかるでしょう。

 また、青になったからと「たまたま他車との関係で交差点内にとり残されたクルマ」の前を無理に横切る歩行者も、実は法規違反なのです。 最近は、横断歩道の上で止まって平然としている車が多いですが、これももちろん違反になります。といって、こういう車を得意げに叩いていく人もいますが、これは意図的にやったものですから器物損壊。車体が凹むなど、ものが壊れていたら現行犯逮捕の可能性もありますよ。

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◆ヘッドランプはいつ点ける?

 車で出かけたときに、ちょっと悩むのがヘッドランプの点灯時刻。普段、街中を走っているときは、「まわりの車が点けているから、それを参考に何となく」でもなんとかなってしまいますが、キャンプ等で、山へ出かけたときなど、車とあまり出会わないところでは、「参考になんとなく・・・」とはいきません。

 では、いつ頃が「点け時」か?間違いないのは、「計器盤が瞬時に判断できなくなったとき」です。車外ではなく、車内の明るさを基準にすればいいのです。ただし最近の高級車では、メーター自らが常時発光しているものがあり、明るい幹線道路では、ヘッドランプを点け忘れしやすいので要注意です。

 グレーやガンメタ(ガン・メタリックの通称。銃などの金属部のような濃いグレーの色)、ダークグリーン、そしてもちろんブラックといった濃い(暗い)車体色の場合は、他車に対して存在をアピールするためにも、もう少し早めに点けておくほうがよいでしょう。夕暮の一時、路面や風景と重なって本当に見えにくくなります。
 もちろん、スモールランプ(車幅灯)ではなく、完全にヘッドランプを点灯すること。明かりの大きさも重要なのです。

 山中の曲がりくねった暗い林道では、昼間でもヘッドランプを点けておけば、対向車にいち早く自分の存在を知らせることができます。特に、カーブミラーがあっても暗くて何が映っているのかわからないところでは有効です。昔はみんな点けていたものですが、最近はこれを知らずに「ランプ点いているよ」とパッシングで教えてくれる人もいるので、念のため。

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■快適なドライブのためのヒント

◆快適・渋滞ドライブ作戦

 近年少なくなったとはいえ、やはりピーク時は首都圏や関西地区では数十kmものクルマの列になります。ここを抜けるのに掛かる時間ですが、実は、自然渋滞ならば10kmあたり1時間余計にかかるという計算が成り立ちます。20kmなら約2時間のプラスです。

 また、高速道路の渋滞は、種類によって空いている車線が違う。夏(季節外れ)に 「工事渋滞」と出ていたら中央分離帯での作業の可能性が高く、 追い越し車線が詰まりがち。また普通の「出口渋滞」は走行車線側だけが渋滞して、 追い越し車線はスイスイということも。「料金所渋滞」は空いているからと左端へ行くと、 料金所を過ぎてからの合流で手間取ります。

料金所の渋滞突破は、追い越し車線を直進したほうが合流する時の「気遣い」がないので楽です。つまり左右から合流されるよりは左から来る車だけに気を遣っていればいいのです。 初心者やペーパードライバーの場合は、走行車線にいたのなら、さらに時間はかかりますが、一番左側から、右からの合流だけに気をつけて突破すると楽、ということです。特に料金所手前だけでなく、その先もかなり渋滞しているなら、直進でも左端の料金所でも時間的には大差ないでしょう。

 ところで、一般道の好きな人もいますが、これも計ってみると時間的には(完全に止まってしまう事故渋滞でもないかぎり)高速道路に乗りっぱなしのほうが速いものです。ただし、子供や女性、 お年寄りなどが乗っているときは、トイレや休憩等を考えて選びたいですね。下道ならば、トイレはあちこちにあるけれど、高速道路ではおいそれとないので。  

 また、酔ってしまったときのための専用の袋や、子供連れのときは携帯用トイレポットも、カー用品を扱っている店で市販されているので用意しておくと安心です。

 飲み物、食べ物も、欲しいときにすぐ口にできるよう用意しておきたいものです。口を動かす硬い食物(さきイカ、ガムなど)は神経を刺激して眠気防止にもなるのでおすすめ。また、箱入りの整形されたポテトチップは、内袋ごとドリンクホルダーに立てておくという裏ワザもあります。

 退屈しないためには音楽などが一般的ですが、1〜2時間も聞いていればお気に入りでも飽きが来ます。こんなときは、落語・漫才なども、変化が付くのでお試しあれ。

 もちろん、この渋滞を避けて深夜や早朝に移動するのも方法ですが、景色の見えない旅はただの移動でしかありません。ここは、車内の快適化で真正面から渋滞に取り組みましょう。

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◆クルマ酔いを防ぐには

 同乗者のクルマ酔いにまで気を配ってあげてこそベテランドライバーです。体質もあるので一概には言えませんが、それでも多少は軽減してあげられます。

 まず、座る位置です。クルマの上下の揺れは、前輪・後輪から入ってくる路面の凹凸などで起きます。ちょうど前後輪の中央を軸にしたシーソーのようになります。つまり、軸部分が最も揺れず、タイヤの真上が一番大きく揺れることになります。乗用車なら助手席、1BOXカーやミニバンなら(車種にもよりますが)2列目に、酔いやすい人を座らせてあげるとよいでしょう。

 本を読んだり、横を向いたりしていて酔うことも多いもの。これを防ぐには、進行方向の遠くの景色を見させることです。目で見た情報は、無意識でも平衡感覚に役立っているから、車酔いの原因であるこの不具合を修正できます。

 また、内臓の共振による吐き気もあります。これはよく言われるように食事(消化のいいもの)を、車に乗る数時間前に済ませておくことで防ぎたいもの。後はこんな不快な揺れをなくすよう、クルマも整備しておくことです。サスペンションのショックアブソーバーが傷んでいると不快な揺れが起きやすくなります。

 それにもまして「酔ったらどうしよう」と悩むのが一番よくないことです。ストレスの他、下向きになりがちで余計悪化します。イザというときの袋(ビニール臭のないもの)やぬれティッシュ等を用意し、車酔いを忘れるくらい楽しく過ごしましょう。

 ところで、車酔いを呼ぶ要因のひとつが匂い。クルマそのものの匂い(内装材または接着剤のもの)以外で、一番”気になる匂い”はやはり、タバコでしょう。この匂いが染み付くのを防ぐには「吸い殻入れにタバコを貯めないこと」が一番。クルマを停めておくときは、かならず吸い殻を処分しましょう。これだけで意外なほどタバコの匂いは染み付かないものです。最近はクルマ用の消臭・除菌クリーナーなども多数あるので、クルマの匂いが気になる人は試していただきたいと思います。この匂いを隠そうとして使われる芳香剤も、匂いがきつすぎるとかえって車酔いの元になるのでほどほどに。

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◆長距離ドライブの必需品

 夏場の長距離ドライブにぜひ持っていってもらいたいのが洗車用スポンジと毛バタキです。でも別に出先で車を研こうというわけではない。

 ヘッドランプやテールランプなどに泥ハネがついた場合、危険でさえあるわけなので拭き取りたいのですが、ティッシュやウエットティッシュではそう簡単には行かないことが多いものです。やはり面積が大きいだけに、きちんとしたもので拭かないとダメなのです。もうひとつ重要なのが「虫」。夜間の高速道路などでは、飛んでいる虫がかなり当たってしまう。乾いてしまうと落ちにくいので、できるだけ早く、たっぷり水気を含んだもので拭き取りたいのです。そこで活躍してくれるのがスポンジ。水場からたっぷり水を含ませて車まで移動できるので、長いホースやバケツがなくとも使えるのがポイントです。

 そして、軽いホコリ取り用に最適な毛バタキですが、もうひとつ重要なのは砂利道走行などで窓に積もった土ボコリの除去。濡れ雑巾で拭いてしまうと、拭き跡が残ってむしろ見えなくなってしまいます。しかし乾燥した状態なら、毛バタキでさっさと払えば、あとも残さずきれいになります。これは意外なほど気付く人が少なくて、たとえプロのハズの4WD雑誌の編集者でも、持っていく人はいないのですから。

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◆雨に備えてやっておきたいこと

 雨が降ったときにうっとうしいのがワイパーの忙しない動きと、室内の曇りです。「ワイパーなしでもOK」などという溌水剤がいろいろ売られていますので、これを塗っておけばワイパーは間欠作動(たいていの乗用車はワイパースイッチの1段目がこれになっています)で十分です。曇りはエアコンのスイッチを入れて「外気導入モード」にすることで防げます。「内気循環モード」では曇りはほとんど取れません。

 また、蒸し暑い雨の夜は、ライト、エアコン、ワイパーなどでバッテリーに負担を掛けがち。特に渋滞していると発電量不足でバッテリー上がりにもなりかねません。梅雨の前には、バッテリーのチェックをしておきましょう。ちなみに、後の窓ガラスにある熱線の曇り取りは非常に電気を食います。そしてラジオはほとんど負荷を掛けませんが、カセットやCD、カーナビなどもバッテリーに負担を掛けます。ワイパーの動きが鈍くなったら危険信号。すぐ、使わなくとも済むもののスイッチを切りましょう。アイドリング時の発電量は、エアコン+ヘッドランプで使い切ってしまう程度しかないのです。

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◆霧に出遭ったときの知恵

 気温、湿度ともに高い季節は、平地でも霧が発生します。また山の中で霧に遭うこともあるでしょう。だが霧の中の走行というのは、意外に経験していないものです。たとえば、運転歴40年を超え、ほぼ毎日車に乗っている「自称」ベテランドライバー(=実は父)の運転で出掛けたとき、山の中で濃い霧に遭遇したことがあります。そのとき彼はなんと、見えないからとヘッドライトを上向きに! その瞬間、霧の粒が乱反射して目の前が真っ白になってしまったのです(もちろん直後に私に運転を交代しましたが)。

 正しくはライトは下向きのまま。そのうえで装着されていればフォグランプ(霧灯)を点灯します。一時流行したヘッドランプの中にオマケのように組み込まれたフォグランプは、視界を確保する効果は薄いですが、それでも対向車に自分を知らせることは十分できます。

 ただし、フォグランプは悪天候時以外使わないこと。これは霧の中で自車の存在を後続車に知らせるための「リア・フォグランプ」も同様。何ともまぶしく、迷惑です。例外的に、余りに明るさが不足ぎみのヘッドランプ(プロジェクタータイプなど)では、住宅街の暗い路地などで使うこともありますが、これも厳密には不正使用ですし、程度問題です。

 とはいっても、どんなによいフォグランプでも、本当に濃い霧になると道そのものはあまり見えないので、路肩の白線やガードレールを基準に走るといいでしょう。さらに走れないほど濃くなった場合、霧が晴れるのを道路上に止まって待っていると追突される恐れがあります。晴れ待ちするときは道路外で。

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◆車載工具に慣れておこう

 最近は車載工具も簡略になって、タイヤ交換用のレンチと、プラス・マイナス挿し替え式のドライバーくらいしか付いていないものがあります。だからといって、使い方も知らないのでは、本当の緊急時に困ってしまう。車通りのほとんどない、携帯電話は圏外になってしまうような場所で何か起こったら? たとえパンクでも、動けなければ命にかかわることもあります。タイヤ交換の練習くらいはしておきたいものですね。

 一般の方がその場で修理する程度に使うドライバーは、プラス・マイナス挿し替え式で十分。たとえば切れたランプのバルブ交換は、ヘッドランプなら工具さえ不要なものがほとんど。その他もドライバー1本あればなんとかなります。どうやったら外れるのか、ディーラーなどで教えてもらっておくといいでしょう。こんな簡単なことを何故みんなやらずに、ヘッドランプやブレーキランプが片方しか点かないまま運転しているのか、と思いますよ。

 そして、持っていたいのがスペアのランプ・バルブとヒューズ。簡単なDIYでなんとかできるのですから、車の中に積んでおきたいものです。ちなみに筆者は車載工具とスペアのヒューズ・懐中電灯は、すぐに出せるように運転席まわりに置いてあります。タイヤ交換用のレンチは、ガラスを割って緊急脱出するのにも使えるからです(トランクの奥で荷物を出さないと出てこないのは最悪です!)。

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